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文書の保存方法については前述したような方法がありますがプログラムは文書が予期せぬトラ ブルによって破壊されることを防ぐため,定期的に自動保存したり,バックアップファイルを作成 します. これらの保護機能はユーザ設定ダイアログボックスのファイルタブに用意されています. 文書の作成を確実に行うためには,この2つの機能を必ず利用してください. 文書の作成中に予期 せぬトラブルが発生した場合,プログラムは自動的に文書を上書き保存します. ただし,文書名の 拡張子を.dmpとします. .dmpファイルはオリジナルの文書と同じフォルダに保存されます. 期せぬトラブルが発生すると,プログラムは警告メッセージを表示し,すべてのファイルを閉じて 自動的にプログラムを終了します. 自動作成された.dmp,自動保存ファイル,バックアップファイ ルを開く方法は後述します.

文書作成にあたっては,保護機能により文書の安全性が確保されますが,これが完全にファイル を保護するものではありません. なぜなら, .aut, .bak, .dmpともにオリジナル文書と同じドライ ブの,同じフォルダに保存されるからです. ディスク自体が破損した場合,修復の手段がありませ ん. したがって,作成中の文書は適宜,ファイルサーバー,フロッピーディスク,バックアップテー プなどに保存してください. このようにして文書のコピーを別の場所に確保すれば,ファイルの安 全性はかなり確保されます.

3.5.1 読み込み専用オプションを利用する

読み込み専用オプションを利用すれば,保護したい文書を予期せぬ変更から保護することができ ます. 読み込み専用ファイルを開くのに,特別な作業は必要ありません. ただ,いかなる変更もこ のオプションが外されるまで,全て防ぐことができます.

読み込み専用の場合,多くのコマンドが利用不可となり,それらはメニューやツールバー上で薄 い色(グレイアウト)で表示されます.読み込み専用文書を保存しようとすると,プログラムは保護 を無効にするかどうかを確認します.

◮読み込み専用で保護した文書を保存する

1. ファイルメニューから名前を付けて保存を選択します.

2. 文書の名称が未設定であるか,読み込み専用として別名で保存する場合は,そのファイルの 名前を入力します.

3. 読み込み専用文書として保存チェックボックスをチェックします.

66 3 文書の基本操作

4. 保存ボタンをクリックします.

◮読み込み専用オプションを外す.

1. ファイルメニューから名前を付けて保存を選択します. 2. ファイル名はそのままにします.

3. 読み込み専用文書として保存チェックボックスのチェックを外し,保存を選択します. 4. プログラムはファイルを置き換えるかどうか確認します. Yesボタンを選択します.

プログラムは読込み専用ファイルの上書きダイアログボックスを開きます.

5. ファイルを保存する方法を選択します.

• フ ァ イ ル を 更 新 し, 読 み 込 み 専 用 で 保 護 し て 保 存 す る 場 合, 読 み 込 み 専 用 フ ァ イ ル を チェックします.

ファイルを更新し,読み込み専用で保護せずに保存する場合,読み書き可能なファイル を選択します.

6. OKボタンをクリックします.

3.5.2 定期的に自動保存する

自動保存の機能を有効にすると,プログラムは画面上のすべての.tex文書を一定の時間間隔で 保存します. 時間間隔はユーザが設定できます. プログラムは保存,名前を付けて保存,すべて保 存のコマンドを実行しなくても,自動的に一定間隔で文書を保存します. プログラムを終了する時 には,自動保存は実行しません. つまり,プログラムの終了時には必ず保存作業を行わないと,最後 に実行された自動保存以降の編集内容は失われます.プログラムは自動保存ファイルを内部フォー マットで作成し,同じファイル名,拡張子.autで保存します.

自動保存が有効で,文書を閉じる前に最新の状態を保存するとプログラムは.autファイルを無 視します. 最後に更新したファイルを保存せずに終了してしまった場合,プログラムは.autファイ ルを確保しています. しかも,再起動後,問題のファイルを選択するとプログラムが自動的に最新 の自動保存文書を開きます. 再起動後に,プログラムが自動的に.autファイルを開き,そのファイ ルが自動保存されたファイルであることを示すメッセージを画面に表示します. その時,ユーザは 自動保存されたファイルではなく,古い.texの文書を選択することもできます. ここで.tex文書を 選択すると,折角の自動保存ファイルは破棄されますので,慎重に操作してください.

Note 自動保存機能は名前を付けた文書にだけ有効です. 文書名を付けた段階で,プログラムは自 動保存の機能を動作させます.

プログラムは自動保存機能をオフにしてインストールされます. 定期的に自動保存するには, の機能をオンにする必要があります.

◮画面上のすべての文書を自動保存する

1. 編集ツールバーのユーザ設定ボタン をクリック,または,ツールメニューからユーザ設 定を選択します.

2. ファイルタブを表示します.

3. その他の項目で自動保存をチェックします.

4. 数値を入力するか,または,矢印を利用して時間間隔を設定します. 時間間隔の範囲は1分から100分です. デフォルトは20分です.

5. OKボタンをクリックします.

ファイルメニューから保存,名前を付けて保存,すべて保存などを選択すると,プログラムは自 動保存時間のカウンタをゼロとし,そこから時間を計り,自動保存を行ないます. つまり,こまめに 保存作業行うとプログラムは自動保存を実行しませんので, .autファイルは作成されません.

3.5.3 バックアップファイルの自動作成

バックアップファイルの作成オプションを選択すると,プログラムはファイルメニューの保存, 名前を付けて保存,すべて保存のコマンドが実行される度に,バックアップファイルを作成します. バックアップファイルはオリジナルの文書名と同じ名前を持ち,拡張子が.bakとなります. バック アップコピーは保存の度に上書きされます. バックアップファイルは.texファイルと同様, ASCII ファイルです.

Note バックアップファイルの作成機能は名前を付けた文書にだけ有効です. 文書名を付けて保 存した段階で,プログラムはバックアップ機能を動作させます.

プログラムはバックアップファイルの自動作成機能をオンにしてインストールされます. この機 能のオン/オフの切替はツールメニューからユーザ設定を選択します.

◮保存コマンドを実行する度にバックアップコピーを作成する

1.編集ツールバーからユーザ設定ボタン をクリック,または,ツールメニューからユーザ 設定を選択します.

2. ファイルタブを表示します.

3. 詳細設定の項目で,バックアップファイル(.BAK)の作成をチェックしてOKボタンをク リックします.

3.5.4 文書の復元

電源の異常など予期せぬことが原因で文章が破損し,プログラムで文書を開けなくなる事があり ます. プログラムはトラブルが発生すると画面上の文書の.dmpファイルの作成を試みます. また, 自動保存機能やバックアップファイルの作成機能が有効になっていれば,破損した文書に近い状態

68 3 文書の基本操作

のものを再利用できます.

プログラムは文書を開くときに,常に最新の文書を開こうとします. 通常は.tex文書がそれに該 当する訳ですが,何らかのトラブルで異常終了した場合は,拡張子が.dmp, .aut, .bakなどのファ イルを探して,それを開きます.

最新のファイルが.dmpファイルの場合,プログラムはオリジナルの.tex文書の代りに,この ファイルを開くことを確認するメッセージを表示します. 確認後,プログラムが.dmpファ イルを開くと,残りの.autファイルは破棄されます. そして.dmpファイルを保存すると, れを通常の.tex文書として保存します.

最新のファイルが.autファイルの場合,プログラムはオリジナルの.tex文書の代りに,この ファイルを開くことを確認するメッセージを表示します. 確認後,プログラムは.autファイ ルを開きます. そして.autファイルを保存すると,これを通常の.tex 文書として保存しま す. 逆に,そのまま.tex文書を開くと,プログラムは.autファイルを破棄します.

• .dmpファイルと.autファイルの両方とも存在しない場合,バックアップ作成のオプション を利用していれば,少し古くなりますが破損前の.bakファイルが存在します.バックアップ ファイルはオリジナル文書の一つ前の保存状態になっています. バックアップファイルを利 用する時は,予めその名前を変更し,拡張子を.texとして開きます. バックアップファイル を保存すると,通常の.tex拡張子を付けて保存されます.